ウカタマ!

世界妖怪会議にて水木さんの幸福をもらう 

8月7日世界妖怪会議に出席。世界妖怪会議とは、水木しげる、荒俣宏、京極夏彦らが主催している「妖怪」について語り合う会の事で、今回で第9回目を数える。

前半は、妖怪を利用した町おこしイベントのプレゼンと、素人のくだらないライブを見せられ、三人の登場がいまかいまかと待たれる。

そろそろケツが痛くなってきたころ、ついに妖怪会議が始まる。幕が開くと大きなスクリーンの前に並べられた椅子に京極氏が一人座り、司会を始める。妖怪研究家の多田氏、漫画家というかオタクの唐沢なおき氏が登場。スクリーンには「妖怪大戦争」などの昔の妖怪映画が流され、3人が「キャラクターとしての妖怪」というテーマで語りはじめる。

「キャラクターとしての妖怪」・・・元々妖怪は、多くの人々に語り継がれていても姿かたちが一般に定着しているものは少なかった。のっぺらぼうなども最初は人間型ではなかったが、江戸時代後期あたりから「人間だけど顔だけツルツル」というお馴染みの姿になったという。
また現在、誰もが想像するであろう多くの妖怪たちの姿を「キャラクター」として定着させたのは、水木しげるの力によるものが多いという。油すましやぬらりひょんなどはその最たる例で、あの姿形は水木さんの創造したものである。
その他にも映画という世界で初めて生まれ、一般に定着した妖怪もいるらしい。妖怪というのは伝承だったり民話から生まれたのだから、一人の漫画家の頭や映画から出てきても驚きはない。

その後荒俣氏が登場して、妖怪大戦争のリメイク版の製作について語る。映画会社の大映が復活するらしく、その復活を記念する映画第一作目がなんと「妖怪大戦争」だという事である。妖怪会議のメンバーがプロデュースするらしいので、楽しみだ。

会議も中盤を過ぎ、ついに水木さんが登場。82歳になる彼だがよくしゃべるしゃべる。妖怪に限らず「幸せ」についての考えや食べ物や戦争の話などなど、どんな話をしていても水木テイストで面白い。

若い頃戦地で片腕を落としたというこの男が語る「戦争」の話は、僕らの祖父の世代がよく語るような悲劇でも武勇伝でもなかった。
水木さんは戦地で見張り役をしていたが、オウムの家族の生活に見とれていたために敵の発見が遅れ、さらに自分の部隊への伝達もせずに逃げ出したため、その部隊は全滅したという。こんな悲惨な思い出を笑い話として話す水木さんは、やはり妖怪に違いない。

その後30分、妖怪会議は「水木さんのお話を聞く会」と化した。話がおもしろすぎる。

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昔上映された映画「妖怪大戦争」でもそうなのだが、「妖怪は弱いし、いい加減で馬鹿でくだらない」というのがパネラーの共通の意見であった。しかしそれが妖怪の魅力であり、彼らと人間とが共生できることの要因であるという。でかくて強い怪獣なら、やはり排除しなければならないが弱くて馬鹿な妖怪は守ってあげるべき存在なのだと。人間が守らなければ彼らは絶えてしまうのだと。
僕は妖怪というのは、もっと怖いものだと思っていたからこの意見は目からウロコだった。

水木さんによると、電気の発達によって妖怪の数が激減したという。昔は灯りと言えばロウソクや行灯などであり、妖怪がよく見えたという。同様に、人間たちが森や山を無くすことは妖怪の住みにくい世界を作り出しているという事である。

僕はこう思う。妖怪なんか「いない」と言う事はたやすい。しかし、いたほうが断然面白い。それが分からない人は、人間として少し寂しいのではないだろうか。
「妖怪が住みやすい世界」を作る事、それは実は「人間が住みやすい世界」を作る事でもあるのだ。

コメント

>僕は妖怪というのは、もっと怖いものだと思っていたからこの意見は目からウロコだった。

妖怪を愛することは、「訳の分からないもの」を愛するということですね。電気が隅々まで煌煌と照らし出し、「訳の分からないもの」を排除してしまう現代。「何だかよく分からないけど、いいんじゃない」という曖昧さがなくなっていくのは危険だと私も思います。何でも除菌してしまう怖さと同じような感じかな。
「妖怪大戦争」新しい方を先日観ましたが、その馬鹿馬鹿しさに爆笑。案外現実とはこんなものよ、と思いながら帰り道ほくそえんだことでした。
http://bittersweetdreams.blog9.fc2.com/blog-entry-364.html

本当に「訳の分からないもの」があるからこの世は楽しいんですよね。
僕は最近、ちょっと食べ過ぎて体重が増えてきてるんですが、妖怪のせいにしてます(笑

「妖怪大戦争」まだ見てないんですけど、やっぱり馬鹿馬鹿しかったですか(笑
早くみたいなあ。

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