ただのカルシウム日記 3
- 2005/05/23
- 15:18
3日目 ~ただの白い歯
ベッドの中で僕は涙ぐんでいた。
かといって、抜いた場所が痛かったわけでもなく(痛かったが)、病院食が不味いからでもなく(不味かったが)、誰も見舞いに来ないのが寂しいからでもなかった(来なかったが)。
乙一「暗いところで待ち合わせ」という本を読んで感動していたのだった。
この作品は僕のランキングでかなり上位に入ってしまった。
書評を読んでるとこれはどういうジャンルなの?って言う感想を持つ人がいるが、
ジャンル分けしようとする方がアホだ。
この日は本を読んで寝、本を読んで寝、この繰り返しだった。
病院食が不味いのを除けばいい生活だ。
薄味は好きだが、病院食は薄すぎる。
毎日こればかりなら慣れるのだろうが、何の味も無いおかゆには一生慣れる事はないんじゃないかと思う。
まあ、今はそんなものしか食えないのだから仕方がない。
しかし、外の景色を見ながらの食事はいい。ベッドが窓際でほんとによかった。
3日目にやっと気づいたが、窓から見える学校は僕の母校だった。
昨日の夜と同じく、変な感じだった。
++
夜、またもや眠れないので薄明かりの中アガサ・クリスティ「アクロイド殺し」を読む。主人公の名探偵ポアロは自信家なところがお茶目。
もう3時を過ぎている。
眠れない。ふとシャーレの中の歯を見てみる。外の光に照らされてぼんやり光っている。
奥歯くらいデカイ歯が一本と、それぞれ4つくらいに分解された二本の歯。
こんなデカイ歯が、このアゴの奥にあったとは。そのうちの一本には白いものがこびりついている。骨の一部だろうか。
悪さをするだけで無用な歯だったが、抜いてしまえばなんだか愛着のようなものが湧いてくる。
歯を抜いた時、脱力感や虚無感を感じるが、親知らずでも同じなんだなと思った。
そろそろ眠れるだろうか。まだ横を向いて寝るのは億劫だ。
次、目が覚めれば退院。
ベッドの中で僕は涙ぐんでいた。
かといって、抜いた場所が痛かったわけでもなく(痛かったが)、病院食が不味いからでもなく(不味かったが)、誰も見舞いに来ないのが寂しいからでもなかった(来なかったが)。
乙一「暗いところで待ち合わせ」という本を読んで感動していたのだった。
この作品は僕のランキングでかなり上位に入ってしまった。
書評を読んでるとこれはどういうジャンルなの?って言う感想を持つ人がいるが、
ジャンル分けしようとする方がアホだ。
この日は本を読んで寝、本を読んで寝、この繰り返しだった。
病院食が不味いのを除けばいい生活だ。
薄味は好きだが、病院食は薄すぎる。
毎日こればかりなら慣れるのだろうが、何の味も無いおかゆには一生慣れる事はないんじゃないかと思う。
まあ、今はそんなものしか食えないのだから仕方がない。
しかし、外の景色を見ながらの食事はいい。ベッドが窓際でほんとによかった。
3日目にやっと気づいたが、窓から見える学校は僕の母校だった。
昨日の夜と同じく、変な感じだった。
++
夜、またもや眠れないので薄明かりの中アガサ・クリスティ「アクロイド殺し」を読む。主人公の名探偵ポアロは自信家なところがお茶目。
もう3時を過ぎている。
眠れない。ふとシャーレの中の歯を見てみる。外の光に照らされてぼんやり光っている。
奥歯くらいデカイ歯が一本と、それぞれ4つくらいに分解された二本の歯。
こんなデカイ歯が、このアゴの奥にあったとは。そのうちの一本には白いものがこびりついている。骨の一部だろうか。
悪さをするだけで無用な歯だったが、抜いてしまえばなんだか愛着のようなものが湧いてくる。
歯を抜いた時、脱力感や虚無感を感じるが、親知らずでも同じなんだなと思った。
そろそろ眠れるだろうか。まだ横を向いて寝るのは億劫だ。
次、目が覚めれば退院。
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