辞書連想 ~はじめに~
- 2004/12/28
- 11:20
じしょ 【辞書】 ・・・
多くの言葉や文字を一定の基準によって配列し、その表記法・発音・語源・意味・用法などを記した書物。
(三省堂「大辞林」より)
+++
小学校低学年の時、その頃好きだった国語辞典を開いて休み時間をつぶしていた。
しかし、ある項で爆笑してしまった。
「ひょっとこ」・・・片目が小さくて、口のとがった男の滑稽な顔つきの面。
用例 「この、ひょっとこ野郎!」
この「用例」の部分が非常におもしろかったのである。
これは「用例」なのか?ただの悪口じゃないか。
しかし、クラス中の友達に見せても、誰も賛同するものはなく、僕は愕然とした。
その事件がきっかけで、僕はグレてフリーメイソンに入り、全国中の公園の水飲み場で、蛇口に直接口をつけて飲むという悪行を始めたのは有名な話である。
この僕の幼き日の思い出を、作品に変えてしまった人たちがいた。千原兄弟と赤瀬川原平である。
++
かつて千原兄弟は辞書柔道という名作コントを作った。
柔道着を着たJrが赤い辞書を開き、そこに書いてある語句と意味を言い、
今度は白い辞書に持ち変えて、また違う語句と意味を言う。そして、どっちが面白いかを判定すると言うコント。お笑いのネタばれは嫌いなので、内容は言わない。
また、トマソンで有名な赤瀬川原平の「新解さんの謎」という名著もあった。新明解国語辞典が、明らかにおもしろ辞書だという事を書いた本。
この「新解さん(赤瀬川氏は敬意を込めて『さん』づけで呼んでいる)」は、語句の説明や用例などがやけに丁寧だったり、非常に変なのである。
例えば、
ぜんもんどう【禅問答】・・・
禅宗の坊さんが行なう問答(のように、当事者以外には、何を言っているのか分からない問答や、押さえ所の無い返事)。こんにゃく問答。
カッコから後がやけに長い。カッコの使い方がおかしいんじゃないだろうか。
それに、こんにゃく問答・・・。初めて聞いたが、なかなか味わい深い言葉だ。
どうぶつえん【動物園】・・・
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
かなり私見が入っている。子どもには見せられない。
言っておくが、これは嘘じゃない。これが本当に市販の辞書に載っているのである。
新解さんの内容を、少し紹介しているサイトをみつけた。これを見て、興味を持った方は、ぜひ赤瀬川氏著「新解さんの謎」ならびに、本家「新明解国語辞典(第四版が一番オススメ)」をご一読ください。
新解さんのこだわり
また、辞書とは関係無いが「しりとりえっせい」という、故中島らもの作品がある。
エッセイの題名を毎回「しりとり」していき、その題名を題材にしてエッセイを書くというものだった。
彼は「題材はタイトルだけ」という、非常に高度な大喜利に立ち向かい、見事なエッセイに昇華させている。
++
さて、ここからが本題である。
なぜこんな事をダラダラ書いて来たのかというと、ウカタマを更新するために、題材が欲しいなと思ったのである。
今見ている人からお題をもらうのもいいが、書いてくれる人は少ないだろうし、そのお題がすでにオチてたりしたら非常にシャクである(心が狭い)。
だから、辞書をパッと開いて偶然出てきた「言葉」について、何か文章を書けないかなと思ったのだ。今日テレビで見た、「しりとり竜王戦」に触発されたのもある。
語句や説明のおもしろさについて書くのもいいが、それだけだと赤瀬川氏や千原と変りが無い。新解さんではなく、非常に真面目な辞書「大辞林」を使う。
大辞林は、2616ページ。一ページ四段組で、行数は60~70行。
ページ数と、何段何行目かを適当に決め、そこに書いてある語句を文章の「タイトル」とする。
そのタイトルについて、何か文章を書く。その内容はエッセイかもしれないし、ネタかもしれない。はたまた評論・小説・詩などかもしれない。特にスタイルは決めない。
もし、指定した行が、単語の説明の部分だとしたら、行をさかのぼって、その単語をタイトルにする。
締め切りは、1週間以内。もし多忙な時は、その都度決める。
そういや、ページ数や行数などはどうやって決めようか。適当に決めてもいいが、裏があると思われると、これまたシャクである。
とりあえずは、有名人の誕生日とか、書いた日の日付とか、そういった所から決めようか。
僕の誕生日は、197X年Y月Z日。197Xページ、Y段、Z行目の語句について、次回から何か書いてみたいと思う。
ええと・・・なになに・・・・「腹を痛める」・・・・?
いきなり慣用句か。この辞書は、単語とともに慣用句も記載されているのだ。
では、次回から連載「辞書連想」を開始する。とりあえず最低でも10回は続けようと思う。
次回の語句・・・「腹を痛める」
多くの言葉や文字を一定の基準によって配列し、その表記法・発音・語源・意味・用法などを記した書物。
(三省堂「大辞林」より)
+++
小学校低学年の時、その頃好きだった国語辞典を開いて休み時間をつぶしていた。
しかし、ある項で爆笑してしまった。
「ひょっとこ」・・・片目が小さくて、口のとがった男の滑稽な顔つきの面。
用例 「この、ひょっとこ野郎!」
この「用例」の部分が非常におもしろかったのである。
これは「用例」なのか?ただの悪口じゃないか。
しかし、クラス中の友達に見せても、誰も賛同するものはなく、僕は愕然とした。
その事件がきっかけで、僕はグレてフリーメイソンに入り、全国中の公園の水飲み場で、蛇口に直接口をつけて飲むという悪行を始めたのは有名な話である。
この僕の幼き日の思い出を、作品に変えてしまった人たちがいた。千原兄弟と赤瀬川原平である。
++
かつて千原兄弟は辞書柔道という名作コントを作った。
柔道着を着たJrが赤い辞書を開き、そこに書いてある語句と意味を言い、
今度は白い辞書に持ち変えて、また違う語句と意味を言う。そして、どっちが面白いかを判定すると言うコント。お笑いのネタばれは嫌いなので、内容は言わない。
また、トマソンで有名な赤瀬川原平の「新解さんの謎」という名著もあった。新明解国語辞典が、明らかにおもしろ辞書だという事を書いた本。
この「新解さん(赤瀬川氏は敬意を込めて『さん』づけで呼んでいる)」は、語句の説明や用例などがやけに丁寧だったり、非常に変なのである。
例えば、
ぜんもんどう【禅問答】・・・
禅宗の坊さんが行なう問答(のように、当事者以外には、何を言っているのか分からない問答や、押さえ所の無い返事)。こんにゃく問答。
カッコから後がやけに長い。カッコの使い方がおかしいんじゃないだろうか。
それに、こんにゃく問答・・・。初めて聞いたが、なかなか味わい深い言葉だ。
どうぶつえん【動物園】・・・
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
かなり私見が入っている。子どもには見せられない。
言っておくが、これは嘘じゃない。これが本当に市販の辞書に載っているのである。
新解さんの内容を、少し紹介しているサイトをみつけた。これを見て、興味を持った方は、ぜひ赤瀬川氏著「新解さんの謎」ならびに、本家「新明解国語辞典(第四版が一番オススメ)」をご一読ください。
新解さんのこだわり
また、辞書とは関係無いが「しりとりえっせい」という、故中島らもの作品がある。
エッセイの題名を毎回「しりとり」していき、その題名を題材にしてエッセイを書くというものだった。
彼は「題材はタイトルだけ」という、非常に高度な大喜利に立ち向かい、見事なエッセイに昇華させている。
++
さて、ここからが本題である。
なぜこんな事をダラダラ書いて来たのかというと、ウカタマを更新するために、題材が欲しいなと思ったのである。
今見ている人からお題をもらうのもいいが、書いてくれる人は少ないだろうし、そのお題がすでにオチてたりしたら非常にシャクである(心が狭い)。
だから、辞書をパッと開いて偶然出てきた「言葉」について、何か文章を書けないかなと思ったのだ。今日テレビで見た、「しりとり竜王戦」に触発されたのもある。
語句や説明のおもしろさについて書くのもいいが、それだけだと赤瀬川氏や千原と変りが無い。新解さんではなく、非常に真面目な辞書「大辞林」を使う。
大辞林は、2616ページ。一ページ四段組で、行数は60~70行。
ページ数と、何段何行目かを適当に決め、そこに書いてある語句を文章の「タイトル」とする。
そのタイトルについて、何か文章を書く。その内容はエッセイかもしれないし、ネタかもしれない。はたまた評論・小説・詩などかもしれない。特にスタイルは決めない。
もし、指定した行が、単語の説明の部分だとしたら、行をさかのぼって、その単語をタイトルにする。
締め切りは、1週間以内。もし多忙な時は、その都度決める。
そういや、ページ数や行数などはどうやって決めようか。適当に決めてもいいが、裏があると思われると、これまたシャクである。
とりあえずは、有名人の誕生日とか、書いた日の日付とか、そういった所から決めようか。
僕の誕生日は、197X年Y月Z日。197Xページ、Y段、Z行目の語句について、次回から何か書いてみたいと思う。
ええと・・・なになに・・・・「腹を痛める」・・・・?
いきなり慣用句か。この辞書は、単語とともに慣用句も記載されているのだ。
では、次回から連載「辞書連想」を開始する。とりあえず最低でも10回は続けようと思う。
次回の語句・・・「腹を痛める」
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