辞書連想 第五回 「はんみょう」
- 2005/01/18
- 15:22
はんみょう 【斑猫】
(1)甲虫目ハンミョウ科に属する昆虫の総称。体長1、2センチメートルの甲虫。地表をはうものが多い。幼虫・成虫とも他の昆虫を捕食する。
(2)(1)の一種。体長約2センチメートル。黒紫色の地に赤・緑・白の美しい紋様がある。路上に多く、人の歩く先へ先へと飛ぶさまから「みちおしえ」「みちしるべ」などと呼ばれる。幼虫は地面に穴を掘ってすむ。ナミハンミョウ。[季]夏。
(3)マメハンミョウとツチハンミョウの俗称。毒をもつ。
(初めての方は、本編の前に辞書連想「はじめに」を読んでください)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
虫のどこが嫌いかと言えば、あの本能的な動きだ。
「うわ~光や~明るい~」「うわ~スイカや~甘そう~」「うわ~飛べそう~飛ぶ~」
と思いたつと、すぐに奴らはその欲望のままに行動を起こす。それがどうも神経に障るのだ。
しかもあのグロテスクな顔と体、バラバラに動く足と触覚、もう今まさにこう書いている時点で、きのちがわぶくて手がふぶえていむ(あまりにも気持ちが悪くて手が震えました。すみません)。
子どもの頃はカブトムシやクワガタくらいなら触れたが、今となってはそれすらも触りたくない。
だがこんな僕でも、見ていて美しいなと思える虫はいる。蛍はたとえ一匹だけでも本当に美しい光を放つし、蝶の羽根の模様も複雑でサイケで好きだ。
生態が面白くて好きな虫もいる。虫嫌いの僕でも見つけるとついつい追いかけてしまう虫、それがハンミョウだ。
ハンミョウに出会ったのは今まで2回。初めて見た場所は万里の長城だった。・・・と言っても中国を旅行したわけではない。世界中の遺跡のレプリカを集めた太陽公園というのが、兵庫県の姫路市にあるのだが、そこの万里の長城(全長2km。現在も建設中)のレプリカでハンミョウと出会ったのだ(このおもしろスポット太陽公園については長くなるのでまたの機会に)。
あれは6年ほど前、夏の暑い日だった。友人3人くらいで、汗をダラダラかきながら万里の長城を歩いていた。レプリカと言っても、本物の石を積み上げ、質感も似せてあるので、ちょっと小旅行してきたようで楽しい。とりあえず長城の端まで歩き、さあ帰ろうかという時に、ある小さい物体が僕らの歩く前をすーっと飛んでいった。
それを見た虫好きの友人が「あ!ハンミョウや!」と言った。
そのハンミョウとやらは、玉虫色というやつできれいだった。体も2cmほどと小さいのでグロさを感じない。近づくと、また僕らの前をすーっと飛んで3mほど先を行く。友人は「この虫は歩いている人より、先へ先へと飛んで行くんや。道案内してくれてるみたいやから『みちしるべ』とも呼ばれる」と教えてくれた。
虫嫌いの僕も、これには痛く感動してしまった。「お帰りはこちら~」と道案内してくれてるようなのだ。もちろん彼は本当に道案内してくれてるわけではなく、単純に僕らを警戒して逃げているだけなのだが、そのすーっと飛ぶ軌跡が何とも言えない。地面からジャンプして風に乗るようにスイーッと飛び、道の3mほど先で着地する。近づくとまたスイーッと飛ぶ。
僕は、すっかりこのハンミョウの虜になってしまった。
急に近づくと、道をそれたり逆方向に飛んだりする。「おい、急に近づくから間違ったやないか!」と言われてるようなので、ハンミョウ師匠にはゆっくり近づかなければならない。
こっちがゆっくり近づいても逆方向に飛んでしまったときは、師匠はこう言う。「どや?だまされたか?気抜かんとツッコメよ」
そして、素手で捕まえると噛みついてこう言われる。「あほか、10年早いわ!」(師匠は他の虫を食ってらっしゃるので、アゴが強い)
僕は、昔の日本人がハンミョウ師匠の飛ぶ様子を見て「みちしるべ」と呼んだこのセンスに面白みを感じた。そして、師匠は虫嫌いの僕に、僕の知らない世界や僕が嫌っていた世界にも面白いものがあるのだと教えてくれた。僕は虫の事を好きになれそうな気になっていた。
すっかり長城の入り口まで道案内してもらい、僕らは師匠とお別れをした。師匠は手を振る僕らにこう言った。
「虫もなかなか捨てたもんやないやろ」
・・・でも師匠、やっぱり触りたくは無いです。
(おしまい)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ハンミョウ、ほんと面白いです。ちなみに、ハンミョウ師匠はナミハンミョウという種類です。マメハンミョウと呼ばれるものもいますが、師匠とは全く別の種類の虫で、毒があるので漢方の材料になるとか。
師匠には毒はありません。僕は経験ないけど、手で捕まえると噛まれます。まあ、素手で捕まえるのは至難の業です。師匠の1m以内になかなか入れません。
はい、次。
昨日は阪神大震災10年目の日でしたね。僕の家は直接被害は無かったけど、その年、兵庫県の学校に行ったので、この時のことはよく覚えてます。
「今日は何の日?」ってHP見たら、
「1629年1月17日 数十年前にポルトガルの駐フランス大使ジャン・ニコ(ニコチンに名前を残す)によって紹介されたタバコに、時の宰相リシュリューが煙草税をかける」
とありました。ニコチンってニコさんの仇名だったんだ。ニコチーンって呼ばれてたんだね。
じゃあこの日で、
1629年1月17日 > 1629ページ1段17行 = 「て」
・・・・ちょっとこれ、ムズカシすぎやしませんか?この「て」は「手」じゃなくて、助詞の「て」だそうです・・・。まあええか。
次のお題・・・
「て」
(1)甲虫目ハンミョウ科に属する昆虫の総称。体長1、2センチメートルの甲虫。地表をはうものが多い。幼虫・成虫とも他の昆虫を捕食する。
(2)(1)の一種。体長約2センチメートル。黒紫色の地に赤・緑・白の美しい紋様がある。路上に多く、人の歩く先へ先へと飛ぶさまから「みちおしえ」「みちしるべ」などと呼ばれる。幼虫は地面に穴を掘ってすむ。ナミハンミョウ。[季]夏。
(3)マメハンミョウとツチハンミョウの俗称。毒をもつ。
(初めての方は、本編の前に辞書連想「はじめに」を読んでください)
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虫のどこが嫌いかと言えば、あの本能的な動きだ。
「うわ~光や~明るい~」「うわ~スイカや~甘そう~」「うわ~飛べそう~飛ぶ~」
と思いたつと、すぐに奴らはその欲望のままに行動を起こす。それがどうも神経に障るのだ。
しかもあのグロテスクな顔と体、バラバラに動く足と触覚、もう今まさにこう書いている時点で、きのちがわぶくて手がふぶえていむ(あまりにも気持ちが悪くて手が震えました。すみません)。
子どもの頃はカブトムシやクワガタくらいなら触れたが、今となってはそれすらも触りたくない。
だがこんな僕でも、見ていて美しいなと思える虫はいる。蛍はたとえ一匹だけでも本当に美しい光を放つし、蝶の羽根の模様も複雑でサイケで好きだ。
生態が面白くて好きな虫もいる。虫嫌いの僕でも見つけるとついつい追いかけてしまう虫、それがハンミョウだ。
ハンミョウに出会ったのは今まで2回。初めて見た場所は万里の長城だった。・・・と言っても中国を旅行したわけではない。世界中の遺跡のレプリカを集めた太陽公園というのが、兵庫県の姫路市にあるのだが、そこの万里の長城(全長2km。現在も建設中)のレプリカでハンミョウと出会ったのだ(このおもしろスポット太陽公園については長くなるのでまたの機会に)。
あれは6年ほど前、夏の暑い日だった。友人3人くらいで、汗をダラダラかきながら万里の長城を歩いていた。レプリカと言っても、本物の石を積み上げ、質感も似せてあるので、ちょっと小旅行してきたようで楽しい。とりあえず長城の端まで歩き、さあ帰ろうかという時に、ある小さい物体が僕らの歩く前をすーっと飛んでいった。
それを見た虫好きの友人が「あ!ハンミョウや!」と言った。
そのハンミョウとやらは、玉虫色というやつできれいだった。体も2cmほどと小さいのでグロさを感じない。近づくと、また僕らの前をすーっと飛んで3mほど先を行く。友人は「この虫は歩いている人より、先へ先へと飛んで行くんや。道案内してくれてるみたいやから『みちしるべ』とも呼ばれる」と教えてくれた。
虫嫌いの僕も、これには痛く感動してしまった。「お帰りはこちら~」と道案内してくれてるようなのだ。もちろん彼は本当に道案内してくれてるわけではなく、単純に僕らを警戒して逃げているだけなのだが、そのすーっと飛ぶ軌跡が何とも言えない。地面からジャンプして風に乗るようにスイーッと飛び、道の3mほど先で着地する。近づくとまたスイーッと飛ぶ。
僕は、すっかりこのハンミョウの虜になってしまった。
急に近づくと、道をそれたり逆方向に飛んだりする。「おい、急に近づくから間違ったやないか!」と言われてるようなので、ハンミョウ師匠にはゆっくり近づかなければならない。
こっちがゆっくり近づいても逆方向に飛んでしまったときは、師匠はこう言う。「どや?だまされたか?気抜かんとツッコメよ」
そして、素手で捕まえると噛みついてこう言われる。「あほか、10年早いわ!」(師匠は他の虫を食ってらっしゃるので、アゴが強い)
僕は、昔の日本人がハンミョウ師匠の飛ぶ様子を見て「みちしるべ」と呼んだこのセンスに面白みを感じた。そして、師匠は虫嫌いの僕に、僕の知らない世界や僕が嫌っていた世界にも面白いものがあるのだと教えてくれた。僕は虫の事を好きになれそうな気になっていた。
すっかり長城の入り口まで道案内してもらい、僕らは師匠とお別れをした。師匠は手を振る僕らにこう言った。
「虫もなかなか捨てたもんやないやろ」
・・・でも師匠、やっぱり触りたくは無いです。
(おしまい)
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ハンミョウ、ほんと面白いです。ちなみに、ハンミョウ師匠はナミハンミョウという種類です。マメハンミョウと呼ばれるものもいますが、師匠とは全く別の種類の虫で、毒があるので漢方の材料になるとか。
師匠には毒はありません。僕は経験ないけど、手で捕まえると噛まれます。まあ、素手で捕まえるのは至難の業です。師匠の1m以内になかなか入れません。
はい、次。
昨日は阪神大震災10年目の日でしたね。僕の家は直接被害は無かったけど、その年、兵庫県の学校に行ったので、この時のことはよく覚えてます。
「今日は何の日?」ってHP見たら、
「1629年1月17日 数十年前にポルトガルの駐フランス大使ジャン・ニコ(ニコチンに名前を残す)によって紹介されたタバコに、時の宰相リシュリューが煙草税をかける」
とありました。ニコチンってニコさんの仇名だったんだ。ニコチーンって呼ばれてたんだね。
じゃあこの日で、
1629年1月17日 > 1629ページ1段17行 = 「て」
・・・・ちょっとこれ、ムズカシすぎやしませんか?この「て」は「手」じゃなくて、助詞の「て」だそうです・・・。まあええか。
次のお題・・・
「て」
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