辞書連想 第九回 「装束く」
しょうぞく 【装束く】
〔名詞「そうぞく(装束)」を活用させた語〕
(1)装束を着ける。よそおう。
「しなやかなる童の、えならず―・きたるぞ歩み来たる/源氏(夢浮橋)」
(2)支度を調える。飾りつける。
「―・かれたる御琴三つ御笛三つとりいでさせ給ひつ/宇津保(蔵開上)」
(初めての方は、本編の前に辞書連想「はじめに」を読んでください)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今日の部屋は少し違った
いつも迎えてくれる声が聞こえなかった
またかと半分あきらめつつ 奥の部屋へ入る
チノの匂いがした
でもこれは 「少し泣いたあと」の匂い
鉄製の鳥かごの中で暴れたのだろう
美しかった黄色い羽根が部屋中にちらばり
もう飛べないチノがいた
+++
チノに初めて出会った浜
やせこけたチノは 自分の体と変わらないくらいの流木で風をよけていた
少し息が早いのがわかった
僕は
冷たい手をポケットであたため
そっと抱いて家に帰った
だからあの時
僕の手が熱くなっているのはチノのせいだと気づかなかった
++
+
チノはきれいな羽を持っていた
黄色くて でもなぜか落ち着いていて
月に照らされたときは ぼんやり輝いて匂いを放つ
喉が渇いたら ほほを膨らませる
飛びたいときは ずっと僕の目を見る
そんな時は鳴けばいいのに
鳴き方を忘れたから
ずっと目を見る
僕は何かをしてあげるものだと思っていたけど
それは勘違いで
僕はチノを一方的に閉じ込めていたから 僕は一方的に許す方だった
それだけのこと
でもチノは
僕が死にたい時に必ず代わりになろうとする
僕が死にたい時に必ず代わりになろうとする
だから少しでも
僕は知らないふりをしなければいけない
肩が重くなっている事を
気づかれないようにしなければならない
でもまた気づかれてしまった 僕は
僕はどんどん目の色を無くす
僕はどんどん表情を無くす
僕はどんどん探す事をやめる
そしてやっとのところで もう一度という言葉を思い出す
少しチノのためにと思って またこれからという言葉を思い出す
そんな変化さえも気づかれないように
僕が先に死んだら誰も君の面倒を見られないから
そんなへ理屈で納得する
そう
意味なんてそこらじゅうにちらばっているんだ
そう納得して
チノとのことを自分のものにした
+++
++
+
++
+++
亡骸は浜の見える丘に埋めた
ふと海の風が 僕の方に運ばれてきて
やっぱり
チノの匂いがした
でもこれは 「少し笑ったあと」の匂い
僕は
チノの羽と同じ 黄色い花を一緒に埋める
彼女が
その花を身にまとってくれれば・・・・・・
そう思った
(おしまい)
++++++++++++++++++++++++++++++++
さて次。
今日は何の日。3月6日ガーナの独立記念日だそうで。最近「アフリカで寝る」という本を読んでいます。
1957(昭和32)年
ガーナがイギリスから独立し、「アフリカ独立運動の父」と呼ばれたエンクルマが初代大統領となった
1957ページ3段目6行 = 「撥鐙法」
書道用語だそうで。
次のお題・・・「撥鐙法」
〔名詞「そうぞく(装束)」を活用させた語〕
(1)装束を着ける。よそおう。
「しなやかなる童の、えならず―・きたるぞ歩み来たる/源氏(夢浮橋)」
(2)支度を調える。飾りつける。
「―・かれたる御琴三つ御笛三つとりいでさせ給ひつ/宇津保(蔵開上)」
(初めての方は、本編の前に辞書連想「はじめに」を読んでください)
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今日の部屋は少し違った
いつも迎えてくれる声が聞こえなかった
またかと半分あきらめつつ 奥の部屋へ入る
チノの匂いがした
でもこれは 「少し泣いたあと」の匂い
鉄製の鳥かごの中で暴れたのだろう
美しかった黄色い羽根が部屋中にちらばり
もう飛べないチノがいた
+++
チノに初めて出会った浜
やせこけたチノは 自分の体と変わらないくらいの流木で風をよけていた
少し息が早いのがわかった
僕は
冷たい手をポケットであたため
そっと抱いて家に帰った
だからあの時
僕の手が熱くなっているのはチノのせいだと気づかなかった
++
+
チノはきれいな羽を持っていた
黄色くて でもなぜか落ち着いていて
月に照らされたときは ぼんやり輝いて匂いを放つ
喉が渇いたら ほほを膨らませる
飛びたいときは ずっと僕の目を見る
そんな時は鳴けばいいのに
鳴き方を忘れたから
ずっと目を見る
僕は何かをしてあげるものだと思っていたけど
それは勘違いで
僕はチノを一方的に閉じ込めていたから 僕は一方的に許す方だった
それだけのこと
でもチノは
僕が死にたい時に必ず代わりになろうとする
僕が死にたい時に必ず代わりになろうとする
だから少しでも
僕は知らないふりをしなければいけない
肩が重くなっている事を
気づかれないようにしなければならない
でもまた気づかれてしまった 僕は
僕はどんどん目の色を無くす
僕はどんどん表情を無くす
僕はどんどん探す事をやめる
そしてやっとのところで もう一度という言葉を思い出す
少しチノのためにと思って またこれからという言葉を思い出す
そんな変化さえも気づかれないように
僕が先に死んだら誰も君の面倒を見られないから
そんなへ理屈で納得する
そう
意味なんてそこらじゅうにちらばっているんだ
そう納得して
チノとのことを自分のものにした
+++
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亡骸は浜の見える丘に埋めた
ふと海の風が 僕の方に運ばれてきて
やっぱり
チノの匂いがした
でもこれは 「少し笑ったあと」の匂い
僕は
チノの羽と同じ 黄色い花を一緒に埋める
彼女が
その花を身にまとってくれれば・・・・・・
そう思った
(おしまい)
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さて次。
今日は何の日。3月6日ガーナの独立記念日だそうで。最近「アフリカで寝る」という本を読んでいます。
1957(昭和32)年
ガーナがイギリスから独立し、「アフリカ独立運動の父」と呼ばれたエンクルマが初代大統領となった
1957ページ3段目6行 = 「撥鐙法」
書道用語だそうで。
次のお題・・・「撥鐙法」
- [2005/03/06 15:26]
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