ウカタマ!

浮かばれない君のタマシイ  「笑」 

友達によると、僕はお笑いの話になると急に饒舌になるらしい。
確かに今考えてみると、何でも三日坊主だった僕がずっと続けているのは「笑う」という事だけかもしれない。

小学2年くらいまで、僕は毎日泣いていた。歳も離れて性格の合わない兄姉に毎日泣かされていた。今考えると、「泣く事」は自分が気にいらない事があった時にする自己主張の一つで、別にいじめられていたわけじゃなかったんだろうと思うが、とにかく泣いていた。

僕は家ではおとなしく、かなり内気な子どもだった。家に客が来るとすぐ自分の部屋に閉じこもってしまい、客が帰るのをひたすら待つ。あいさつをしたくない、それだけの理由だ。

その代わりというか反動というか、学校では元気だった。いかにみんなを笑わせてやろうかを考えていた。小学3,4年は似てない物まねとかをしてたような気がする。別に似て無くてもその当時はウケたし、それで満足していた。その頃はドリフやさんまが大好きだった。

小学4,5年で、僕はある芸人にはまった。当時、関西ローカルで「4時ですよ〜だ」という番組を始めたダウンタウンだ。
平日16時からそれは放送されるため、僕は毎日早く家に帰った。ポテチと牛乳を食いながら番組を見る、それが習慣となった。

・・・思い出した。そのポテチをいつのまにか食い尽くして僕は兄姉からしばかれるのだった。そうか僕が悪かったんだ。

僕は同級生と漫才トリオを組んだ。ダウンタウンのコピーをしたり、自分達でもネタを考えた。クラスの行事など、事あるごとに発表し僕は完全にお笑いにはまってしまった。

その頃、TVを見て腹を抱えている僕に言ったオカンの言葉が今でも耳に残っている。
「あんた、最近よう笑うようになってきたなあ」
なんなんだオカンよ・・・。



その後、中学に入ると僕は超ド級のネクラになってしまった。あまり詳しく言うと引かれそうだが、例えば、鏡で自分の顔を見ると吐き気を催すくらいだった。
しかしそれを緩和してくれるのが、やはりダウンタウンだった。
TVを見て笑い、次の日学校で友達と話をする。もし、あの頃そんな生活がなかったらと思うとゾッとする。

たぶん、ダウンタウンでお笑いが好きになったという人はたくさんいるだろうが、ネクラが治ったという人はあまりいないんじゃないだろうか。
笑いの話になると僕が饒舌になってしまうのは、単に好きだからというのもあるが、自分が助けられたという意識が強いのかもしれない。

++

最近まで、僕は昔話をし始めたら人間終わりだと思っていて、子どもの頃の記憶を封印していた。僕の中では、その昔が無かった事になっていた。

しかし、最近色んなことを思い出すようになった。たぶん、今は逆に言いたいのかもしれない。
今言わないと昔嫌いだった自分を忘れてしまいそうなのかもしれない。
今ならそんな昔も笑ってあげれると思うし、笑ってあげないとかわいそうだとも思うのだ。

「お前、何悩んでんねん。とりあえずお笑いでも見ろや」と。

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