「どこがパンクやねん」 <エッセイ>
- 2004/11/23
- 15:00
10年ほど前、高校の時だが、友人に誘われてパンクバンドをやっていた。
オリジナル曲がシモネタだったり、曲の途中でブレイクして、「バンザ~イ」と1分くらいメンバー全員万歳をするというわけのわからないアレンジだった。今考えると、生まれてはじめてのバンドがそのバンドでよかったと思う。
その友人であり、バンドのリーダーはヘンテコだった。Tシャツをズボンの代わりに履いていた。わけのわからない言葉をよく発していたが、僕には面白くてたまらなかった。
その当時、僕はパンクサウンドは好きだったが、パンクスが嫌いだった。
これは、高校の時からの持論である。
「パンクスはパンクではない」
この暴論であり正論は、パンクスの前では言えない。ぶっとばされるからだ。ケンカはめっぽう弱い。ちなみに、この「パンク」は「ロック」とも置き換えられる。
パンクとは、僕にとって音楽のジャンルやファッションじゃない。「壊した上で作ること」という概念でしかない。だから、未だに人のコピーや真似しているパンクスはパンクではないと思うのだ。
そんな考えと様々な理由から、僕はそのバンドを辞めた。
その友人は上京して、パンクバンドをやりつづけた。
僕はその後、パンク以外の様々な音楽に触れる事になる。その時聞いてたパンクと言えば、「INU」「あぶらだこ」「ボアダムス」や「頭脳警察」だった。これらは音楽ジャンル的に言えばパンクとは言い切れないが、僕にとっては「パンク」という概念を体現したバンドだった。
自分の作る音楽や作品もパンクだと思っていた。いわゆるパンクサウンドではなかったが、パンクという概念から生まれたものだったからだ。
その7年後、東京から地元に戻ってきたその友人から、今やっているバンドに入らないか?と誘われた。僕は彼と7年ぶりに会話をした。
久しぶりに会って聞いた彼の音は変っていた。ジャンルで言えば、もうパンクじゃなかった。
その間全く話もしていなかったのに、彼も同じ事を考えていたのだ。
僕はそのバンドで1年間プレイした。
パンクを追及した男が出す音と、パンクを見捨てた男が出す音がぶつかりあうと、パンクでもなんでもない、新たな音楽が生まれた。
もう、自分の作品がパンクだなんて言えないし、言いたくない。そう思える瞬間だった。
今は二人とも別々に、しかしお互いに刺激しあいながら表現活動を続けている。
彼と僕とは元々同じ道をたどっていたが、途中で全く違う道を歩んでそれぞれの道を追求し、久しぶりに再開したらまた同じ道をたどっていたというのが、僕には面白くてたまらない。
オリジナル曲がシモネタだったり、曲の途中でブレイクして、「バンザ~イ」と1分くらいメンバー全員万歳をするというわけのわからないアレンジだった。今考えると、生まれてはじめてのバンドがそのバンドでよかったと思う。
その友人であり、バンドのリーダーはヘンテコだった。Tシャツをズボンの代わりに履いていた。わけのわからない言葉をよく発していたが、僕には面白くてたまらなかった。
その当時、僕はパンクサウンドは好きだったが、パンクスが嫌いだった。
これは、高校の時からの持論である。
「パンクスはパンクではない」
この暴論であり正論は、パンクスの前では言えない。ぶっとばされるからだ。ケンカはめっぽう弱い。ちなみに、この「パンク」は「ロック」とも置き換えられる。
パンクとは、僕にとって音楽のジャンルやファッションじゃない。「壊した上で作ること」という概念でしかない。だから、未だに人のコピーや真似しているパンクスはパンクではないと思うのだ。
そんな考えと様々な理由から、僕はそのバンドを辞めた。
その友人は上京して、パンクバンドをやりつづけた。
僕はその後、パンク以外の様々な音楽に触れる事になる。その時聞いてたパンクと言えば、「INU」「あぶらだこ」「ボアダムス」や「頭脳警察」だった。これらは音楽ジャンル的に言えばパンクとは言い切れないが、僕にとっては「パンク」という概念を体現したバンドだった。
自分の作る音楽や作品もパンクだと思っていた。いわゆるパンクサウンドではなかったが、パンクという概念から生まれたものだったからだ。
その7年後、東京から地元に戻ってきたその友人から、今やっているバンドに入らないか?と誘われた。僕は彼と7年ぶりに会話をした。
久しぶりに会って聞いた彼の音は変っていた。ジャンルで言えば、もうパンクじゃなかった。
その間全く話もしていなかったのに、彼も同じ事を考えていたのだ。
僕はそのバンドで1年間プレイした。
パンクを追及した男が出す音と、パンクを見捨てた男が出す音がぶつかりあうと、パンクでもなんでもない、新たな音楽が生まれた。
もう、自分の作品がパンクだなんて言えないし、言いたくない。そう思える瞬間だった。
今は二人とも別々に、しかしお互いに刺激しあいながら表現活動を続けている。
彼と僕とは元々同じ道をたどっていたが、途中で全く違う道を歩んでそれぞれの道を追求し、久しぶりに再開したらまた同じ道をたどっていたというのが、僕には面白くてたまらない。
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