浮かばれない君のタマシイ <エッセイ>
- 2004/12/05
- 15:01
スポーツは久しくしていない。
小学校の頃は、野球をやっていた。しかし、友人を作れないまま辞めた。
中学の頃はバレーボールをやっていた。毎日のように練習に行っていた。周りより背が高いからたまたまレギュラーになったが、チームに自分が必要だとは思わなかった。チームメイトは、自分のエゴを出す奴らばかりだった。僕の周りには同級生より後輩ばかり集まっていた。
高校の頃は、中学時代の同級生が多かった山岳部に入った。本当は部活なんか入りたく無かったが、規則でどうしても入らなければならなくて、知り合いの多い部を選んだ。入部して一ヶ月目に、山岳グッズを買わされそうになった。10万円という値段を聞いて、その日に山岳部を辞めて音楽部に入った。初めてギターを覚えた。
でも音楽部においても、友人はなかなかできなかった。無理をして、自分からバンドのメンバーを探した。緊張しながら、一緒にバンドやろうと言った。僕と同じような人間が2人ほど集まった。それからというもの、僕らは音楽そっちのけで、毎日のように話をした。放課後、誰もいない教室で。
++
「死んだら人間はどうなるのか」
「死んだら、体は消滅するかもしれないが、きっとタマシイだけが残る」
「タマシイって何?」
「今、自分がここにいるということ。『今、自分がここにいるということ』を考えられるという事は、肉体以外の何かが考えているという事。これは、タマシイが存在するという事に違いない。だから、肉体は滅びても、タマシイだけは残る」
「おれは、タマシイなんかさえも残らないと思う。動物や虫を例に考えよう。動物がそんな事を考えて生きているのか?虫が、自分の肉体は滅びてもタマシイだけは残ると考えるだろうか
?人間ならそこまで考えられるから、タマシイがあると考えるかもしれない。でも俺らと動物、虫とはそんなに差があるだろうか?俺らの中には本当にタマシイはあるのだろうか?」
「ううん。」
++
「天才と呼ばれる人の事を理解できるのは天才しかいない」
「そうやな。だから俺たちは天才だ」
++
「窓も出入り口も何もない部屋がある。さて、君はその部屋の中に入れるか?」
「出入り口がないんやったら入れるわけないやん。」
「そう思うやろ?でも、そう思った時点で入れへんねん」
「意味がわからへん」
「出入り口がないから、入れへんというてるようじゃあかん。出入り口があっても無くても、入ろうと思えばその部屋に入れる」
「わからん。出入り口が無かったら入れへん!」
「いや、なるほどわかる。俺は入れそうな気がする。」
++
自分の考えている事を言っても受け止めてくれる友人。それは彼らが初めてだった。
高校の時であるから幼稚な思考に関しては許してやってほしい。誰も答えなど持っていないくせに、問答ばかりをしていた。
でも、はっきり言えるのは僕にとって、スポーツから学んだ事より、彼らとの会話から学んだ事の方が大切だったという事だ。
スポーツは勝ち負けを追及するが、彼らとの話し合いに勝ち負けは無かった。
誰か一人がいう言葉に不満があれば反発し、納得すれば安心し、説き伏せられれば自分の物にする。それだけの事だった。
だから、人と話す事をおそれてはいけない。
自分をさらけ出す事は、相手にとってもうれしい事だと知った方がいい。
そう理屈では理解しながらも、人と話すときに思考が停止してしまうのは、自分が傷つくのが怖いだけだと知ったほうがいい。
大丈夫、誰も嫌がったりしない。たとえ傷ついても、それ以上深い傷にはならない。
彼らが自分を出さないのは、君が自分を出していないからだ。
さあ、今からどうするかは、君次第。
と、もう高校生ではない今の僕に言いたい。
小学校の頃は、野球をやっていた。しかし、友人を作れないまま辞めた。
中学の頃はバレーボールをやっていた。毎日のように練習に行っていた。周りより背が高いからたまたまレギュラーになったが、チームに自分が必要だとは思わなかった。チームメイトは、自分のエゴを出す奴らばかりだった。僕の周りには同級生より後輩ばかり集まっていた。
高校の頃は、中学時代の同級生が多かった山岳部に入った。本当は部活なんか入りたく無かったが、規則でどうしても入らなければならなくて、知り合いの多い部を選んだ。入部して一ヶ月目に、山岳グッズを買わされそうになった。10万円という値段を聞いて、その日に山岳部を辞めて音楽部に入った。初めてギターを覚えた。
でも音楽部においても、友人はなかなかできなかった。無理をして、自分からバンドのメンバーを探した。緊張しながら、一緒にバンドやろうと言った。僕と同じような人間が2人ほど集まった。それからというもの、僕らは音楽そっちのけで、毎日のように話をした。放課後、誰もいない教室で。
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「死んだら人間はどうなるのか」
「死んだら、体は消滅するかもしれないが、きっとタマシイだけが残る」
「タマシイって何?」
「今、自分がここにいるということ。『今、自分がここにいるということ』を考えられるという事は、肉体以外の何かが考えているという事。これは、タマシイが存在するという事に違いない。だから、肉体は滅びても、タマシイだけは残る」
「おれは、タマシイなんかさえも残らないと思う。動物や虫を例に考えよう。動物がそんな事を考えて生きているのか?虫が、自分の肉体は滅びてもタマシイだけは残ると考えるだろうか
?人間ならそこまで考えられるから、タマシイがあると考えるかもしれない。でも俺らと動物、虫とはそんなに差があるだろうか?俺らの中には本当にタマシイはあるのだろうか?」
「ううん。」
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「天才と呼ばれる人の事を理解できるのは天才しかいない」
「そうやな。だから俺たちは天才だ」
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「窓も出入り口も何もない部屋がある。さて、君はその部屋の中に入れるか?」
「出入り口がないんやったら入れるわけないやん。」
「そう思うやろ?でも、そう思った時点で入れへんねん」
「意味がわからへん」
「出入り口がないから、入れへんというてるようじゃあかん。出入り口があっても無くても、入ろうと思えばその部屋に入れる」
「わからん。出入り口が無かったら入れへん!」
「いや、なるほどわかる。俺は入れそうな気がする。」
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自分の考えている事を言っても受け止めてくれる友人。それは彼らが初めてだった。
高校の時であるから幼稚な思考に関しては許してやってほしい。誰も答えなど持っていないくせに、問答ばかりをしていた。
でも、はっきり言えるのは僕にとって、スポーツから学んだ事より、彼らとの会話から学んだ事の方が大切だったという事だ。
スポーツは勝ち負けを追及するが、彼らとの話し合いに勝ち負けは無かった。
誰か一人がいう言葉に不満があれば反発し、納得すれば安心し、説き伏せられれば自分の物にする。それだけの事だった。
だから、人と話す事をおそれてはいけない。
自分をさらけ出す事は、相手にとってもうれしい事だと知った方がいい。
そう理屈では理解しながらも、人と話すときに思考が停止してしまうのは、自分が傷つくのが怖いだけだと知ったほうがいい。
大丈夫、誰も嫌がったりしない。たとえ傷ついても、それ以上深い傷にはならない。
彼らが自分を出さないのは、君が自分を出していないからだ。
さあ、今からどうするかは、君次第。
と、もう高校生ではない今の僕に言いたい。
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